モナコインを掘りに行って、暖房になって帰ってきた

13分で読めます#Monacoin#マイニング#GPU#CUDA#計測

はい、どーも!名探偵Bit太郎にゃんです。

8月に入ってからずっと暑いですね。そんな中で1kW級の発熱体を部屋で回そうとしていたので、余計に暑い思いをしました😇

では早速本題に入りましょう!

モナコインです。久しぶりに名前を見かけたと思ったら、チェーンが止まりかけていました

チェーンが止まっていた#

きっかけはbitFlyerのお知らせでした。8月4日の昼過ぎから、モナコインネットワークでブロックが生成されていないことを確認したので、MONAの受取・送付を一時停止します、と※1

調べてみたら、事情はこうでした。

モナコインのハッシュレートは、ここ2年ほど M2pool という単一のプールがほぼ全部 を占めていました。それが8月4日の昼を最後に、ぱたりと止まった。ネットワークの計算力は桁が2つ変わるレベルで消し飛びます※2

厄介なのは難易度です。PoWの難易度はブロックが生成されるたびに調整されるので、ブロックが出ないと難易度も下がらない。ハッシュレートだけが消えて、難易度は元のまま取り残される。本来は1分半おきに出るはずのブロックが、何時間経っても出てこない状態になっていました。

つまり難易度が、あるべき水準から桁違いに高いところで張り付いていたわけです。

これを見て僕が思ったのは、ものすごく単純なことでした。今なら、僕のGPU 1枚でも戦えるんじゃないか。

ASICが全部いなくなった池で釣りをするようなものじゃないかと。わりと本気でそう思ってたんですよ。やってみよ、と。

8年前のマイナーを、いまのCUDAでビルドする#

モナコインのアルゴリズムは Lyra2REv2 といって、GPU採掘に使うソフトは実質 ccminer 一択です。ただこれ、READMEの推奨CUDAバージョンが 6.5 のままという代物でして。2014年のバージョンです。手元の環境はもちろんそんな古いものではありません。

案の定、そのままでは通りませんでした。いまのCUDAが削除した2つのAPIに引っかかります。

1つ目は、非sync版のwarp shuffle。 GPUの中でスレッド同士が値を融通し合う命令なんですが、古い書き方が消えていました。コード全体にかなりの数が残っていて、モナコインが使うカーネルの中にもしっかり残っていた。

2つ目は、レガシーなtextureリファレンスAPI。 こっちは十数ファイルが使っていました。ただ幸い、それを使っているのは全部モナコインと無関係な別アルゴリズム用だったので、「コンパイルは通るが動かない」スタブを噛ませて逃げました。

どちらも互換シムを書いて、全ファイルに強制注入する方式で解決しています。正直しんどかったんですが、4回目のビルドで通りました。

ここで気になったのが、こういう移植でいちばん怖いビルドは通ったけど、静かに間違ったハッシュを吐いているパターンです。warp shuffleの書き換えは特にそれが起きやすい。動いているように見えて、実は全部ゴミを計算しているかもしれない。

これは3通りで確かめました。ccminer自身がGPUの結果をCPUで照合する機能を持っているのでそれで確認、さらに実際のプールに繋いでシェアが受理されるかを2つのプールで確認。CPU照合の不一致はゼロで、拒否されたのも起動直後の数件だけでした。まあ大丈夫でしょう。

測ってみたら、比べる相手の条件がバラバラだった#

動いたので測りました。

で、比較対象を探しました。あるにはあるんです。ASICもFPGAもGPUも並んだ一覧が公開されていて、うちのGPUも載っていました※3

ただ、これが使えない。1機種につき1点しかなくて、しかも測った電力設定がバラバラなんですよ。 ある機種は定格のまま、隣の機種は絞った状態。その2つを並べて「こっちのほうが効率がいい」と言っても、機種の差なのか設定の差なのか分かりません。

同じGPUで電力を振ってみると、それがはっきりします※4。設定を変えただけで、効率は1.5倍動きました。機種間の差より、設定の差のほうが大きい。

それで、条件を明記して比べられる相手を探して、FPGAでLyra2REv2マイナーを作った2019年の論文に行き着きました※5

ここでひとつ、きれいに効いた調整があります。パワーリミットを絞る。ハッシュレートはそこそこ残るのに、電力は半分近くまで落ちる。エネルギー効率が大きく改善しました※4

その状態で測ると、論文のGPUよりも効率が良かったんです。

ついでに言うと、僕のGPUが特別なわけでもありません。もうひとつ新しい世代のGPUを同じように絞っている人がいて、その数字は僕の倍近く効率が良かった※6。一覧に載っているどのGPUよりも上です。世代がひとつ違うだけで、こうなる。

論文は「提案したFPGAはGPUより圧倒的に効率が良い」と結論しているんですが、いまのGPUで測り直すと、その差はかなり縮んでいました。ハードウェアの世代とコンパイラの進歩で、論文のGPU基準値のほうが古くなっていた、ということですね。

論文にケチをつけたいわけではまったくなくて(2019年時点では完全に正しい)、7年経つと前提が変わるという当たり前のことが数字で見えたのが面白かったです🤔

主役はLyra2じゃなかった#

ところで、さっきから僕はLyra2REv2の話をしているわけですが。この名前、ちょっと看板に偽りがありました。

Lyra2REv2は7つのハッシュ関数を数珠つなぎにした構造をしています。それぞれのコストをCPU側で分解して測ってみたら、全体の4分の3を CubeHash が占めていました※7。名前になっている Lyra2 は、1割ちょっとしかない。

そして先ほどのFPGA論文に載っているハードウェアのクロックサイクル数を見ると、そちらでも CubeHash が同じくらいの割合を占めている。CPUとFPGAという全然違うプラットフォームで、独立に同じ結論が出ていました。

これ、地味に重要な話でして。Lyra2REv2が「ASIC耐性がある」と言われていた根拠は、Lyra2部分がメモリハード(たくさんメモリを使うのでASIC化しにくい)だからなんですね。ところがその Lyra2 は全体のごく一部でしかない。残りの大半は、メモリを一切使わない、ただの計算量勝負の CubeHash です。

道理でASICが出るわけだ、という話でした。

思いついた最適化、全部負け#

じゃあ、その4分の3を速くすればいいじゃないですか。

しかもccminerのそのコードは2018年に書かれたもので、Maxwell世代を前提にしている。8年分の伸びしろがあるのでは?と思いますよね。僕も思いました。

思いついたものを片っ端から実装して、片っ端から測りました。命令を融合して減らす。カーネルをまとめて中間データの往復を消す。GPUに載せるスレッド数を増やす。プロセスを複数走らせる。

全敗です。※8

しかも負け方が毎回きれいで、理由がはっきりしていました。

命令融合の件は、いまのGPUのビットローテーション命令が想像よりずっと速かったというだけの話でした。減らしたつもりが増えていた。

カーネル融合のほうがもっと面白くて、中間データをメモリに書き戻す往復コストより、融合によってレジスタが増えることのほうが高くついたんです。往復のほうが安かった。

つまり、ccminerを書いた人たちは分かってやっていたわけです。よく見ると、7段のうち最初の2つだけは融合されている。あの2つは状態が小さいのでレジスタが膨れないんですね。融合していい所とダメな所が、ちゃんと選り分けられていた。

「古いコードだから最適化の余地があるはず」という僕の見立ては、5つ実装して5つとも測定に否定されました。2018年のコードが、いまのGPUでもまだ局所最適に座っています。

これはこれで、けっこう感動しました。

で、誰が掘っているのか#

じゃあ、いま実際に誰が掘っているのか。

M2poolが消えたあと、残ったネットワークの計算力を実測して※9、それを機材の性能で割ってみました。答えは単純です。

Lyra2REv2用のASIC、8台ぶん。

台数を数えたわけではありません。このアルゴリズム向けにまともに流通しているASICはFusionSilicon X1くらいしかないので、全部それだと仮定して割っただけです※9

GPUで賄うとしたら1,000枚規模になる計算ですが、24時間の出来高が10万円台のコインにGPUが1,000枚張り付いている、というのは考えにくい。プールに繋がっているワーカー数も数十台しかなくて、1台あたりの計算力がGPUやCPUでは説明できない桁でした。

そして今、そのASICたちは1台で1日数千円ぶんのMONAを掘っています。報酬をごく少人数で山分けしているので当然そうなる。一方、同じ瞬間に僕のGPUは赤字でした。

ただ、これは円になりません。

チェーンが止まった8月4日から、主要な取引所はMONAの受取と送付を止めたままです※10。売買の板は動いているので、もともと取引所に置いてあるMONAなら売れる。でも外で掘ったMONAを、取引所に入れることができない。掘れてはいるけれど、出口が閉まっている状態です。

しかも出口が開いたあとも、売る場所はそれほど広くありません。4つの取引所の24時間の出来高を足しても14,000 MONA、金額にして14万円ほど※10。一方でネットワークが1日に掘る量は6,000 MONAです。掘った分を毎日売りに出せば、それだけでその日の売買の4割を占めることになります。

数千円というのは、そこを全部素通りしたときの数字でした。

採算の分岐点となるエネルギー効率を計算すると、僕のGPUでは全く届きません。しかもその分岐点、さっきの論文のFPGAとほぼ同じ水準なんです※11。つまりあの論文のFPGAを完全に再現しても、利益はちょうどゼロ

ただ、その再現がそもそも難しい。市販されているFPGAマイナーは、論文の設計より4倍近く効率が悪いんです※3。数字の上ではいまのGPUに負けている。論文のあれは研究室の設計であって、店で買えるものではなかった。

結局、実際に成立しているのはASICだけです。一覧の最上位と最良のGPUのあいだには、まだ1桁の開きがあります※3

「ASICが全部いなくなった池」だと思っていたんですが、8台ぶん残っていて、それがほとんど持っていく池でした。GPU規模のマイナーも数十人いるにはいるんですが、全員の合計を足しても、一番上のひとりの100分の1に届きません※9。僕もその一人です。

あとから公開されているプールの統計を見て、もうひとつ気づきました。いちばん大きい採掘者ひとりで、ネットワークの7割を持っています※9。M2poolが単一のプールでほぼ全部を占めていた、とこの記事の最初に書きましたが、プールの名前が変わっただけで、集中そのものは何も解けていない。

プールのほうに、繋いでみた#

もうひとつ確かめたことがあります。

「M2poolがサポートを終了したらしい」という話をどこかで見かけたんですが、公式の告知がどうしても見つからない。それどころか M2pool のサイトは今もモナコインを対応コインとして掲げていて、接続手順のページも生きたままなんですよ※12

なので、実際に繋いでみました

繋がりました。認証も通り、仕事も降ってきます。しかも配られた仕事は、別のプールが同じ瞬間に配っていたものと完全に同じチェーンの同じ先端を指していました。新しいブロックが出れば追随するし、こちらの計算力を観測して難易度を調整するところまでやってくる。

ただ、ここまでは仕事を配る側しか見ていません。プールの本体はむしろその先です。シェアを受け取って、勘定して、精算する。大口が離れる理由があるとしたら、こっち側のほうがありそうでしょう。

なので一晩まるごと掘り続けて、そこも見ました。マイナーとプールの間に自作の中継を挟んで、線の上を実際に流れたものを全部記録する方式です。マイナーのログは「マイナーが認識したもの」しか出さないので、それだけでは提出していないのか受理されていないのか区別がつかない※13

結果、投げたシェアは全部通りました。 一度も落ちず、応答が遅れることもなく、朝まで安定したまま。

ところが。

朝になってプールのダッシュボードを開いたら、僕のマイナーはどこにも表示されていませんでした。 計算力も収益もゼロ。それどころか、マイナーの一覧に名前すら出てこない。一晩ぶん投げて、全部「受理」と返ってきたはずのシェアが、アカウント側には1つも残っていないわけです。

ここで、もっともらしい説明が思い浮かびます。このプールはモナコインのブロックを、あの日以来ひとつも見つけていない。 報酬の分配方式的に、ブロックが出なければ収益はゼロで当たり前です。だから空に見えているだけなんじゃないか、と。

確かめました。同じプールで、別の通貨を掘ってみたんです。 プールも、マイナーも、GPUも、手順も全部同じ。違うのは通貨だけ※14

こっちはあっさり出ました。 数十分で、シェアが数個通っただけで、ワーカーの名前も、計算力も、最終提出時刻も、ちゃんと並ぶ。

念のため反対側からも確かめました。モナコインを掘っている別のプールでも一晩掘っていたので、そちらの残高を見に行った。ちゃんと報酬がついていました。 微々たる額ですが、実在する数字として※15

つまり、通貨のせいでも、僕の設定のせいでもない。「M2poolのモナコイン」という組み合わせだけが、シェアを受け取りながら記録していない。

これは、大口が去る理由としては十分すぎます。投げたシェアが記録されないプールで掘り続ける事業者はいません。

ただ、断定はできません。 ここには順序の問題が残ります。8月4日より前、あのプールは大量の計算力を集めて、数分おきにブロックを見つけて、報酬を手数料込みで正確に計算していました。当時はちゃんと動いていたはずなんですよ。動いていなければ、あれだけの規模が2年も居座りません。

だとすると、こうなります。計上が壊れたから大口が去ったのか。それとも大口が去って、ブロックが出ない状態が続いた結果として計上が止まったのか。 後者だって十分ありえます。誰も掘っていないプールで統計処理が転ぶのは、むしろ自然な壊れ方です。

外から見える範囲では、この順序は決められませんでした。

それどころか、もっと足元が揺らぐ話も出てきました。このプールの告知欄を見にいったら、別の通貨で「計算力の統計とブロックの統計だけが壊れ、収益には影響しない」という障害を過去に出していたんです※16。公式にそう書いてある。

だとすると、僕が見た「シェアは受理されるのに何も表示されない」という状態も、そもそも表示だけの問題で、裏では計上されている可能性が残ります。だとしたら大口が去った理由でも何でもない。

ここが限界でした。外から叩けるところは全部叩いたつもりですが、プールの中で実際に何が起きているかは、結局わからないままです。

あとがき#

チャンスは、たしかに存在していたと思います。ただそれを取れたのは、すでに電源を入れていたASICだけでした。

これから機材を調達する側には、最初から回ってこない。PoWの身も蓋もないところって、たぶんここなんですよね。機会が来たときに取れるのは、その時点で資本を配置し終えている人だけで、気づいて動き出した人には構造的に届かない。夢がないなあ、と思いました。

ただ、これは「PoWだから」というよりモナコインが選ばなかった結果という面もあります。Lyra2REv2はもともとASIC耐性を謳って設計されたのに2018年にASICが出て、同じアルゴリズムを使っていたVertcoinはそこで別のアルゴリズムへハードフォークして逃げました。モナコインは逃げなかった。ちなみに論文の著者は、この「ASIC耐性」にかなり懐疑的です。パラメータを上げれば維持できるはずだが、いまの設定ではメモリ行列がごく小さく、ASICにもFPGAにも実装を妨げるものではない、と書いている。つまり維持できるのにしていない、という指摘です。勝てないゲームというより、降りたゲームに近い。

戦い続けているコインもあります。Monero は半年ごとにアルゴリズムを変えていますし、さっき出てきたVertcoinは、ASIC耐性のために2度もハードフォークして今もGPU向けのアルゴリズムで動いている。逃げるという選択肢は、実際に存在するわけです。

なお、唯一の勝ち筋も見つかりました。採算が合う電気代は、一般家庭の単価のだいぶ下です※17。ただし、冬に電気暖房している部屋で掘れば、熱はどのみち必要なので電気代はゼロとみなせます。太陽光の自家消費も同じ理屈。

というわけで、この件は冬まで寝かせることにしました。そのころには入金も再開しているんじゃないかなぁ、と思っています。

そういえば、あのハッシュレートがなぜ消えたのかは、結局わからないままです。プールは仕事を配り続けていた。でもシェアは記録されていなかった。そしてその記録されていないという観測すら、表示の問題かもしれない。順番も、原因も、外からは見えませんでした。

で、消えたほうの規模も、残ったのと同じやり方で割ってみたんですよ。800台ぶんを超えます。電力にすると、小さな工場がひとつ動くくらい※18

そこまではいいんです。おかしいのは収入のほうでした。

いまのモナコインは、ネットワーク全体が1日に稼ぐ額を全部足しても、たいした額になりません。その全額をそっくり800台ぶんの電気代にぶつけても、足りない。電気代を、日本ではまず出てこない水準まで安く見積もっても、まだ足りない※18

去年の相場ならぎりぎり成立していました。でも今年に入ってからは、どう計算しても赤字です。それでも夏まで回り続けていた。

同じ疑問を2年前に書いている人がいました。価格に見合わないハッシュレートがなぜ維持されているのか、と※19。当時も一度、暴落しているんですね。つまり今回が初めてではない。

だから僕は、問いの立て方を間違えていたのかもしれません。あれがどこへ行ったのかではなくて、あれはなぜ存在できていたのか。採算では説明がつかない。誰かが電気代を気にせず回していた、としか言いようがないんです。

それだけの規模の機械が、どこかに存在しているはずなんですけどね。あれはいまどこで何をしているんでしょうか。戻ってきた瞬間に、あの8台ぶんの天下も僕の冬の皮算用も同時に終わります。

では、ここで一句。

暖房と
呼べば黒字か
熱帯夜

お後がよろしいようで。


※1 bitFlyer status(@bitFlyer_status)2026年8月4日の告知。「2026年8月4日(火)午後0時35分頃から、モナコインネットワークでブロックが生成されていないことを確認しました」

※2 M2pool の最後のブロックは 4,069,323(2026年8月4日 12時35分46秒 JST)。bitFlyer が告知した「午後0時35分頃」と一致します。次のブロック 4,069,324 は翌8月5日 08時20分33秒で、19時間45分の空白。難易度はこの時点で 226,348 でした(オンチェーンおよび M2pool・miningpoolstats の3系統で一致)。ネットワーク全体は 10.5 TH/s 規模から 100 GH/s 規模へ落ちています。

※3 minerstat の Lyra2REv2 ハードウェア一覧。ASIC・FPGA・GPU が46機種収録されています(2026年8月7日時点)。エネルギー効率順に並べると FusionSilicon X1 が 0.085 μJ/Hash、Dayun Zig Z1 Pro 0.115、以下ASICが並び、GPUの最良は RTX 3060 Ti の 1.270(79W設定)。同じ RTX 3070 Ti は 87.17 MH/s @ 279W = 3.20 μJ/Hash として載っており、本機の実測(93.3 MH/s @ 271W = 2.90)とは1割ほどズレます。 電力設定は機種ごとに異なり(3070 Ti は279W、3060 Ti は79W)、横並びの比較には使えません。市販FPGAは Blackminer F1+ が 324 MH/s @ 1,000W = 3.086 μJ/Hash、F1 が 2.778 で、※5 の Zynq(0.80)より4倍近く劣ります。ASIC最上位とGPU最良の差は約15倍。数値の出どころ(実測か推定か)は明示されていません。

※4 いずれもGPU単体の消費電力で、ホストPCぶんは含みません(論文側も同条件)。実測: RTX 3070 Ti(sm_86)/ CUDA 12.0 / ccminer 2.3.2(tpruvot linuxブランチに sm_86 パッチ)で 93.3 MH/s @ 271 W = 2.90 μJ/Hash。パワーリミット150Wで 75.1 MH/s @ 148 W = 1.97 μJ/Hash(効率31%改善)。論文の Titan Xp 比で 1.73倍、論文の「FPGAはGPUの4.3倍」は 2.46倍まで縮小。ハッシュレートは60秒ベンチの中央値、電力は負荷時の nvidia-smi サンプリング平均。

※5 J.-F. Têtu, L.-C. Trudeau, M. Van Beirendonck, A. Balatsoukas-Stimming, P. Giard, “A Standalone FPGA-based Miner for Lyra2REv2 Cryptocurrencies,” arXiv:1905.08792. Table V に NVIDIA Titan Xp = 63.09 MH/s / 215 W / 3.41 μJ/Hash、Xilinx Zynq UltraScale+ 9EG = 31.25 MH/s / 25 W / 0.80 μJ/Hash。Table III に各ハッシュ関数のクロックサイクル数。関連して同グループの arXiv:1807.05764(ISCAS 2019)、VHDLは mvanbeirendonck/lyra2-hw で公開されています。

※6 @Ln_Metal(2026年8月6日)が公開した RTX 4070 Ti の稼働ログより、134.5 MH/s @ 145W = 1.08 μJ/Hash。同一ログ内に 35.22 MH/s という別の表示もありますが、VIP Pool の計算力ランキングが同アカウントを 112.7〜130.6 MH/s と観測しているため、134.5 側を採用しました。同氏はブロック 4070070 を発見者名入りで掘り当てています。※3 の一覧では RTX 4070 Ti は 143 MH/s @ 294W = 2.06 μJ/Hash(定格)なので、電力を絞ると効率がほぼ倍になることになります。

※7 CPU実測での各段の割合は CubeHash(2回登場) 74.7%、Lyra2 11.4%、Keccak 5.4%、BLAKE 4.1%、Skein 2.3%、BMW 2.2%。※5 の論文 Table III のFPGAクロックサイクル数では CubeHash 78.5%、Lyra2 13.9%。

※8 LOP3命令での回転とXORの融合が15%遅い、カーネル融合が9.5%遅い(レジスタ47→72、占有率83%→50%)、占有率を66.7%→83.3%に上げて+1.7%のみ、2〜3プロセス同時実行が3.5%遅い。intensity を上げた分だけが +0.5% とわずかにプラス。

※9 ネットワークの計算力は、マイナーのログに残るブロック到着時刻と難易度から逆算した実測値です。プールのAPIが報告する値は実測の20分の1以下とかなりズレていたので、そちらは使っていません。約100 GH/s、FusionSilicon X1(12.96 GH/s)換算で8.1台、RTX 3070 Ti 換算で約1,400枚。「8台」は換算値で、実機を数えたものではありません。 公開されているプール統計(2026年8月6日22時40分時点)では、ネットワーク全体が111.6 GH/s、うち VIP Pool が83.0 GH/s(74%)、アクティブワーカー30。プール内の計算力ランキングは1位が82.81 GH/s(X1換算6.4台、ネットワーク全体の74.2%)、2位が9.16 GH/s、3位以下18アカウントの合計が0.64 GH/s(全体の0.6%)でした。ブロックの発見者名はすべて anonymous で公開されるため、誰が何ブロックを掘ったかまでは追えません。

※10 停止したのは受取と送付だけで、売買は各社とも通常どおりです。bitFlyer は8月4日(※1)。Coincheck は「モナコイン(MONA)のネットワークが稼働していない状況が続いていることに伴い」として同日から止め、8月5日22時30分からは販売所での購入とつみたても停止しています(@CoincheckStatus)。bitbank は「ネットワーク・ノードの不安定により」8月4日15時55分から(お知らせ、「入出金以外の全てのサービスは通常どおり」と明記)。3社とも、8月8日時点で再開していません。 bitbank はお知らせの見出しに【再開済】を付ける運用をしていて、同時期に停止した Litecoin(8月5日)と Cosmos(8月6日)にはその表示がありますが、Monacoin だけ付いていません。Coincheck も同じ Litecoin について8月5日に再開を告知しています。出来高は各取引所の公開APIから同時刻(2026年8月8日10時28分 JST)に取得した24時間値で、Coincheck 6,875 MONA、bitFlyer 6,750 MONA、bitbank 600 MONA、Zaif 34 MONA、合計 14,259 MONA(MONA 10.05円として約143,000円)。ネットワークの日産 6,000 MONA(※18)はこの合計の42%にあたります。

※11 採算分岐点は 0.80 μJ/Hash(電気代31円/kWh、当時のMONA価格で算出)。本機は 1.97 μJ/Hash なので2.5倍足りません。※5 の Zynq UltraScale+ の 0.80 μJ/Hash とほぼ同値です。

※12 M2pool には公開の告知ページがあり、実際に grs プールの閉鎖告知(2026-01-27)と enx プールの削除告知(2025-08-25)が掲載されています。つまり通貨ごとのサービス終了を告知する習慣も場所もあるのに、モナコインについてだけ何も出ていません。日本語・英語圏の検索でも見つかりませんでした。サイトの対応コインタブにも Mona が現役で並んでいます。

※13 自作の stratum 中継プロキシをマイナーとプールの間に挟んで実施(先に別プールで受理・拒否の両方を捕捉できることを確認済み)。7時間48分の連続稼働で 136シェアを提出し136シェアが受理、拒否ゼロ、応答遅延は毎回84ミリ秒前後で安定。vardiff は実効256から1.0まで段階的に収束。配信された仕事は prevhash・難易度・ntime とも対照プールと完全一致。認証時のアカウント検証も機能しており、でたらめな文字列は弾かれます。それでもダッシュボードは稼働時間・30分計算力・24時間計算力・収益・残高がすべて0で、マイナー一覧にも現れませんでした。

※14 対照実験は M2pool の DigiByte(Skein) で実施。同一のccminerバイナリ・同一GPU・同一手順。約40分・受理2件の時点で whole 1 / on-line 1、30分計算力・24時間計算力・最終提出時刻がすべて表示されました。最終的に25件受理・拒否ゼロ。なおこの通貨では M2pool は5〜16分おきにブロックを発見しており、報酬もトランザクション手数料込みで正常に計算されています。

※15 VIP Pool(モナコイン専用プール、手数料0%)で263/266シェアが受理され、承認済み残高 0.170514 MONA が計上されました。同プールは数分おきにモナコインのブロックを発見しています。

※16 M2pool の告知「Notice of RXD Mining Pool Computing Power Problem」(2026-06-17)。RXDノードのアップグレードにより「computing power statistics and block extraction statistics」に問題が発生したが「収益には影響しない見込み」と書かれています。統計表示だけが壊れる障害の前例が、このプールには公式記録として存在します。

※17 採算が合う電気代は 12.6円/kWh。

※18 停止直前のネットワークは難易度 226,348、ブロック目標間隔90秒から 10.8 TH/s。FusionSilicon X1(12.96 GH/s・1,110W)換算で833台、925 kW。一方いまのブロック報酬は 6.25 MONA(stratum の coinbase から実測。出力合計 6.25012350 MONA)で、ネットワーク全体の日産は 6,000 MONA、MONA 10.02円として日次 60,120円。この833台が収支ゼロになる MONA 価格は、電気代 3円/kWh で 11.10円、5円/kWh で 18.50円。MONA は 2026年2月に 11.37円、4月には 9.90円まで下げています。X1 と同等の効率(11.7 MH/J)では、極端に安い電気を仮定しても今年前半には成立していません。逆に言うと、この規模を今年の相場で成立させるには X1 の約2倍の効率(5円/kWh なら 21.6 MH/J)が要ります。

※19 @you21979、2024年9月11日。「モナコインのハッシュレートはなぜ価格に見合わないあんなに高い水準維持していたのか。ハッシュレートが暴落した今、asicなら日本でもマイニングの利益出るんじゃなかろうか」

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